ドリュー・ランズナーさんには、椅子づくり講座の前後に、クラフトツアーと題して周辺の工房を案内していただきました。
ここで、いくつか御紹介します。
まずは、ブライアン・ボグさん。

彼は、ノースカロライナ州アッシュビルに工房を構えています。
このラダーバックチェアーのきりりと引き締まったラインを見てください!

座面はヒッコリーの皮で編んでいます。
彼はヒッコリーの皮を成形するマシンを自ら開発し、製品の製造販売もしています。
この椅子も、見とれてしまいますね。

彼は精密な機械加工を得意とし、自作で加工器具なんかも考案しています。
それでも、削り馬はとても有用な道具として今でも現役で活躍しているそうです。

そしてもう一つの顔は、アマゾンの熱帯雨林の保護活動です。
現地に指導に赴き、熱帯雨林から採れた材を使った椅子づくりの指導をしています。

そうやって森林の木材に付加価値をつけて、乱伐を防ごうとしているのです。
次に、テネシー州ジョーンズボローに工房を構える、カーチス・ブキャナンさん。

彼のつくるウインザーチェアーを見てください。

これは子供用の椅子です。

この優雅なデザインにはうっとりとしてしまいますね。
彼の工房にもやはり削り馬は欠かせません。

工房の裏には今は使われてないようですが、ポールレイズ(足踏みろくろ)もありました。

彼もブライアン・ボグさんと同じ熱帯雨林の保護活動を行っています。

この椅子、ある意味ウインザーチェアーの簡易バージョンとでも言いましょうか。
現地の人にもつくりやすいように、部材数を減らしてあります。
背もたれの部分はヒッコリーの皮で編んであります。
とても素敵なデザインですね。
このクラフトツアーは、とても刺激的体験でした。
来年の秋には、ドリューさんが日本でのクラフトツアーを企画しています。
これは、アメリカ人を対象として、岐阜県の木工や伝統工芸の工房などを巡るツアーです。
これらの相互交流によって、日米のものづくりの交流が一層増すことを期待して止みません。
(文責:小野)
- 2009/12/14(月) 23:32:36|
- アメリカのグリーンウッドワーク
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ドリュー・ランズナーさんに学ぶウインザーチェアー講座
今回挑戦したのはボウバックチェアーという型です。

座板はパイン(マツの一種)の一枚板。
脚はメイプル(カエデの一種)を使用します。
背もたれは二つの部材で構成されます。
名前の由来でもある曲げ木で湾曲させたボウと呼ばれる部材と、ウインザーチェアーの特徴でもあるスピンドルと呼ばれる直線の部材は、共にレッドオーク(ナラの一種)を使用しました。
座板は軟らかく加工のしやすい針葉樹。すわり心地も暖かです。
脚は丈夫なメイプル。ボウは曲げ木に適したレッドオーク。
適材適所に材が使われているんですね。
まずはスピンドルづくりから開始します。
レッドオークの生木は非常に割りやすく細く繊維の通った材料が取れました。
日本のナラと比べてかなり使いやすい材料といえます。

そして削り馬でさらに細く成形していきます。
ここで見つけました。
アルプスの少女ハイジのお爺さんが使っていたのと同じヨーロピアンスタイルの削り馬!
意外と削りやすかったです。

座板は日本にもあるチョウナのような刃物で豪快に削ります。

仕上げはトラビッシャーという専用の刃物を使いました。

穴あけには非常に気を使います。
角度を確かめながら慎重に穴を開けていきます。

仮組みまで完了して5日間の講座が終了しました。

朝早くから夜まで木工漬けの毎日でしたが、とても充実した時を過ごすことが出来ました。
(文責:小野)
- 2009/12/13(日) 01:36:14|
- アメリカのグリーンウッドワーク
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今年度に入って、福島県いわき市、大阪府堺市、近場で岐阜県高山市等、いろいろ出かけていきましたが、とうとうアメリカまで行ってしまいました。
10月末から11月にかけて約10日間、私を含めた会員4名でアメリカノースカロライナ州にあるカントリーワークショップスに滞在しました。
ここは人里離れた大自然の中に位置し、周りにいるのは放牧された牛と養殖池の鱒だけ?お隣さんまで歩くのは大変です。

経営者はドリュー・ランズナーさん。
アメリカにおけるグリーンウッドワークの第一人者です。

昨年10月と11月に来日していただいた際には、ここ美濃市において椅子づくり講座の講師をしていただきました。
今回は5日間のアメリカンウインザーチェアーづくりの講座に参加しました。

←森の中の宿泊棟
ここには宿泊施設も完備されており、滞在中は奥さんのルイーズさんの手料理が出されます。
この料理を目当てに講座に参加する方も多いとか。
毎日変わるメニューのバリエーションには驚かされます。

講座開催日の前後にはクラフトツアーと題して、いくつかの工房巡りもしました。
それでは、講座の詳細はまた次回。
(文責:小野)
- 2009/12/11(金) 23:58:04|
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