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人力の道具で生木を削って小物や家具をつくる、グリーンウッドワークの講座を行っています。これからの講座の予定はメニューの「年間スケジュール」をご覧ください。人力の道具で生木を削って小物や家具をつくる、グリーンウッドワークの講座を行っています。
これからの講座の予定は、下のメニューの「年間スケジュール」をご覧ください。

勉強会、スツール作り

先週末の勉強会の課題はスツール作りでした。
1日で一人一脚は難しいので、9人で1脚です。
個人的には生木で加工するのにもっともよく考えられたモノが椅子ではないかと思います。

木という素材の持ち味を最大限に生かした加工、まさに叡智です。

具体的にいいますと、生木は乾燥するに従い縮んで寸法変化を起こします。普通、木工では歓迎されるものではありません。
しかしそれを逆手にとって、縮む穴に縮まないホゾを入れたらギュッと絞まって抜けなくなる!。。。ちょとコツがいりますが、、、これぞグリーンウッドワーク!!

でも、今回は時間が限られていますので、生のサクラと乾燥気味のカバを使って試してみたいと思います。

ということで順を追って勉強会の模様を。




まづは、生のサクラの丸太を割ります。
(余談ですが、コレがとっても良い木でした、、、)

「割る」ということにも意味があります、ノコギリで縦に挽くのとは同じようでまったく違います。
割ることで、木の繊維が通った棒がとれます。繊維が繋がっているということは折れにくいということです。細くてもしなやかで強い部材。これは作品のカタチにも影響する重要なポイントです。



割った、木片を大まかに斧ではつります。そのあと削り馬で円くカタチを整えます。
ここできれいに削れると次のロクロ作業が楽になります。

今回から、グリーンウッドワーク協会事務所(仮)に移っての勉強会です。
天気に恵まれるのはありがたいですが、9月とはいえ、まだまだ日中は暑いです。少ない日陰を求めて作業。テントが必需品です。

野外での作業は気持ちよくシュルシュル、サクサクと続きます。






、、、と、一日目はここまで。やはりスツールを一日で作るというのは少し無理がありました。
すべての部材がそろった所で日没です。

 
この日の勉強会、これだけでは終わりません。
メンバーからの心づくしの夕食がテーブルいっぱい並び、また「作業療法」についての講義も。

おいしい料理は、話も弾みます。

作業療法についても、僕自身まだまだ勉強しなければいけませんが、それは特別なことではなくて「誰もが必要としているもの」ではないかと感じました。

そんなこんなと、14時間に及んだ勉強会は終了いたしました。


、、、その翌日。


さっそく、ホゾの加工からです。
比較的乾燥したカバから削りだした貫を正確に16ミリに挽いていきます。
生木で木工すると言うと大雑把な加工で組立てると思われるかもしれませんが、ホゾの加工は違います。
ここで強度が決まりますので、0.1mm単位でサイズを調整します。
写真のような便利グッツがあればラクです。ない場合は、計器で計りながらピシッと加工です。
出来上がった貫は段差がないように整えます。→

そのあと、脚に穴をあけます。
スコヤ、角度定規などで傾きを確かめながらグリグリとあけていきます。
かなり深く、今回直径38ミリの脚に28の深さの穴をあけました。

この手回しドリルで上手く穴をあけるのも少しコツがいります。

その後、クランプで「ギッギッ」といわせながら組立てます。今回は、接着剤なしで。
これからの乾燥で、比較的乾燥したカバをまだ湿っているサクラが締め付けてより強くなる、、、ハズです。

そして、椅子のもうひとつの強度を増す仕組みが「ホゾの噛み合わせ」です。
両側を組み上げてから、ホゾ穴をあけます。すでに差し込んだホゾを少し欠き取りながら穴をあけて、その穴にホゾを入れることで絶対にに抜けなくします。

スツールではあまり威力を発揮しませんが、前後方向に力のかかる 背もたれのある椅子などでは効果は抜群です。

これらのテクニックで、生木の椅子は乾けば乾くほど強い椅子になります。





あとは、一気に組み上げます。


クランプで均等に締め上げていき、、、完成です!










なかなか、大ぶりのスツールになりました。みんなの思いが詰まったこの腰掛、どんな座り心地になるか楽しみです。
今回は枠を組むだけでいっぱいでしたが、次回は「座編み」まで完成させたいです。


長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。m(_ _)m  S・k

  1. 2007/09/05(水) 00:54:25|
  2. 講座の実施報告
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