12月27日、暖かい陽だまりの中、第6回スプーンづくり講座が開催されました。
今回のテーマは「グリーンウッドワークカフェ」
ゆっくりとお茶を飲みながら、一日ゆったりと木と向き合っていただきました。
まず朝はモーニングコーヒーを飲んだ後、スプーンの形について活発な意見が繰り広げられました。


2009年の削り納めは、里山の代表選手ナラの木と、人工林の代表選手ヒノキです。
ナラは先日、郡上市白鳥で伐採された樹です。

このナラは堅く、削り甲斐がありましたが、半分に割るのは意外と素直に割れてくれました。
この表情から、ナラの堅さが伝わってきますでしょうか。

そして、ヒノキは地元美濃市の片知地区から伐りだされました。

材は軟らかく加工が楽かと思いきや、節が堅く、均一に削れてくれません。
それにしても、ろくろを回す度に、ヒノキチオールの香りが広がり、とても幸せな気分になりました。

一長一短、生木って本当に奥が深いですね。だから楽しい。
来年も新しい樹種にもどんどん挑戦してみようと思います。
10時のティータイム。


そして、午後のコーヒーブレイク。


みなさん、手づくりのケーキやクッキー、スコーン等を持ち寄って下さり、とても贅沢なグリーンウッドワークカフェとなりました。
スプーンは基本形の人、個性的な形にこだわる人、それぞれ皆さん納得のいく形に近づいたようです。

最後にハイちーず。

本年は皆さんお世話になりました。2010年もよろしくお願いします。
(文責:小野)
- 2009/12/29(火) 23:25:03|
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12月24日、大阪の関西大学に行ってきました。
ものづくりの谷プロジェクトの講評会があり、審査員として招待されました。
関西大学で建築を学ぶ3年生、総勢25名が8グループに分かれてグリーンウッドワークの新拠点を設計してくださいました。

見てください、この力作たち!








細かいディティールまでつくりこんであります。
足踏みろくろや削り馬がとてもリアルですね。




こんな空間でグリーンウッドワークが出来たら最高です。
森と人のつながり、地域とものづくりのつながり等をコンセプトに、3ヶ月の期間をかけて設計した成果を存分に発表してくれました。

みなさん素晴らしい設計だったので、選考にはとても悩みました。
みごとグリーンウッドワーク大賞に選ばれたのは、その名も「森から世界への発信工房」
我々グリーンウッドワーク協会の思いを具体的な形に表現してくれました。

この学生の皆さんの力作を絵にかいた餅にしてしまわぬように、こんな施設にふさわしい活動を展開していきたいと気持ちが引き締まる思いでした。
学生の皆さん、そしてこの授業を企画していただいた先生方に深く感謝します。
素敵なクリスマスプレゼントありがとうございました。
(文責:小野)
- 2009/12/29(火) 00:41:33|
- その他
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12月5日、6日の二日間、新潟県上越市にある地球環境学校へ行ってきました。
ここは、「NPO法人かみえちご山里ファン倶楽部」が上越市から運営を受託された環境教育施設です。
この地球環境学校は、中ノ俣という集落の小中学校だった建物を利用しています。
美しい棚田と茅葺屋根の民家が並ぶ風景は圧巻です。

今この集落には子どもはいません。
しかし、今でも元気なお年寄りがたくさんいます。
そんな方々と交流してきました。
二日間掛けて、里山の木の伐採とスプーンづくりの講座を開催しました。

今回使う木はホオノキです。
日本海側の木を使うのは、私自身初めての経験だったので、興味津々でした。
削ってみた感想としては、普段使っている材に比べると堅かったです。
特に赤身(中心)の部分にはてこずりました。

やはり、2m近い積雪と日本海からの風にさらされたこの樹は、それに耐えるための強靭な体を必要としたのでしょう。
12月のこの時季は積雪があってもおかしくない頃なのですが、今年は全国的に雪が遅いようで、積雪は全くありませんでした。
地元の方は雪囲い等の作業で忙しい中、総勢11名のお爺ちゃん、お婆ちゃんが入れ替わり立ち代り参加してくれました。



かみえちごのスタッフの方々も夢中になって木と格闘していました。


地元の方の感想です。
「昔は炭焼きなどで山を利用していたが、こんな生木の利用が出来れば山も良くなるんじゃないかな。」
最後に笑顔ではいポーズ。

この笑顔が続く限り、このムラは元気でいつづけることでしょう。
『この講座は緑の募金事業「国民参加による間伐及び間伐材の利用の促進事業」の助成を受けて実施しました』
間伐本数:1本
(文責:小野)
- 2009/12/21(月) 23:40:15|
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11月の月末に会員向けの研修会を開催しました。
まず午前中は、普段使っている刃物の整備と道具の整理整頓です。

ある意味、一足早い大掃除といったところでしょうか。
みんなで手分けして、刃物を研いだり、刃先に油を塗ったり、箱詰めしたりと大忙しでした。
そしてお昼は、美濃市の町屋を借りて昼食会です。
メニューは、毎年恒例となりました会員の佐久間さん手打ちの新蕎麦です。

五平餅もあります。優雅に炭火で焼いています。

とても美味しくいただきました。
午後は、アメリカの報告会です。
皆、真剣にスクリーンにかじりついています。

今回集まったのは会員とその家族、赤ちゃんから大人まで総勢24名。
お正月に親戚一同が集まったような、そんな和気あいあいとした雰囲気でした。

これからも、グリーンウッドワークがつむぐ人の和を大切にしていきたいと思っています。
(文責:小野)
- 2009/12/17(木) 00:00:01|
- 講座の実施報告
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11月21日と22日の二日間、岐阜県郡上市の白鳥(しろとり)へ行ってきました。
一日目は小雪の舞い散る中、広葉樹の間伐です。

一口に広葉樹の間伐といっても、スギやヒノキの人工林のように適当な間隔で間引きすれば良いというものではありません。
今回、岐阜県森林研究所の横井さんに立ち会っていただき、残す木と伐採する木の見分け方を教わりました。

枝の少ない木(葉っぱの少ない木)は残しても将来太る可能性が少ない。
しかし、枝の多い木は材とし利用価値が低い。
将来テーブルに使うための木を選ぶのなら、2mのまっすぐな材をとるためにそれより少し上に太い枝のある木を探すのです。
今回の間伐の目的は、伐採した材の有効利用です。
その手段の一つとして、二日目にグリーンウッドワークのスプーンづくり講座を開催しました。

対象は高山市で木工を学ぶ森林たくみ塾の塾生12名です。
使った木は前日に伐り出した「コハウチワカエデ」と「リョウブ」です。
彼らは普段はもちろん乾燥した材料で製品をつくっています。
生木を使った木工は経験が無く、悪戦苦闘。
材料も、普段から強風にさらされる尾根で育った木で、思いのほか堅く、てこずりました。

それでもさすが木工家の卵たち。
素敵なスプーンが出来上がりました。

この二日間で、生きものとしての樹と材料としての木の繋がりを感じてもらうことができたのではないでしょうか。
『この講座は緑の募金事業「国民参加による間伐及び間伐材の利用の促進事業」の助成を受けて実施しました』
間伐面積:約0.1ha 間伐本数:22本
(文責:小野)
- 2009/12/16(水) 01:11:06|
- ┗ スプーンづくり
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ドリュー・ランズナーさんには、椅子づくり講座の前後に、クラフトツアーと題して周辺の工房を案内していただきました。
ここで、いくつか御紹介します。
まずは、ブライアン・ボグさん。

彼は、ノースカロライナ州アッシュビルに工房を構えています。
このラダーバックチェアーのきりりと引き締まったラインを見てください!

座面はヒッコリーの皮で編んでいます。
彼はヒッコリーの皮を成形するマシンを自ら開発し、製品の製造販売もしています。
この椅子も、見とれてしまいますね。

彼は精密な機械加工を得意とし、自作で加工器具なんかも考案しています。
それでも、削り馬はとても有用な道具として今でも現役で活躍しているそうです。

そしてもう一つの顔は、アマゾンの熱帯雨林の保護活動です。
現地に指導に赴き、熱帯雨林から採れた材を使った椅子づくりの指導をしています。

そうやって森林の木材に付加価値をつけて、乱伐を防ごうとしているのです。
次に、テネシー州ジョーンズボローに工房を構える、カーチス・ブキャナンさん。

彼のつくるウインザーチェアーを見てください。

これは子供用の椅子です。

この優雅なデザインにはうっとりとしてしまいますね。
彼の工房にもやはり削り馬は欠かせません。

工房の裏には今は使われてないようですが、ポールレイズ(足踏みろくろ)もありました。

彼もブライアン・ボグさんと同じ熱帯雨林の保護活動を行っています。

この椅子、ある意味ウインザーチェアーの簡易バージョンとでも言いましょうか。
現地の人にもつくりやすいように、部材数を減らしてあります。
背もたれの部分はヒッコリーの皮で編んであります。
とても素敵なデザインですね。
このクラフトツアーは、とても刺激的体験でした。
来年の秋には、ドリューさんが日本でのクラフトツアーを企画しています。
これは、アメリカ人を対象として、岐阜県の木工や伝統工芸の工房などを巡るツアーです。
これらの相互交流によって、日米のものづくりの交流が一層増すことを期待して止みません。
(文責:小野)
- 2009/12/14(月) 23:32:36|
- アメリカのグリーンウッドワーク
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ドリュー・ランズナーさんに学ぶウインザーチェアー講座
今回挑戦したのはボウバックチェアーという型です。

座板はパイン(マツの一種)の一枚板。
脚はメイプル(カエデの一種)を使用します。
背もたれは二つの部材で構成されます。
名前の由来でもある曲げ木で湾曲させたボウと呼ばれる部材と、ウインザーチェアーの特徴でもあるスピンドルと呼ばれる直線の部材は、共にレッドオーク(ナラの一種)を使用しました。
座板は軟らかく加工のしやすい針葉樹。すわり心地も暖かです。
脚は丈夫なメイプル。ボウは曲げ木に適したレッドオーク。
適材適所に材が使われているんですね。
まずはスピンドルづくりから開始します。
レッドオークの生木は非常に割りやすく細く繊維の通った材料が取れました。
日本のナラと比べてかなり使いやすい材料といえます。

そして削り馬でさらに細く成形していきます。
ここで見つけました。
アルプスの少女ハイジのお爺さんが使っていたのと同じヨーロピアンスタイルの削り馬!
意外と削りやすかったです。

座板は日本にもあるチョウナのような刃物で豪快に削ります。

仕上げはトラビッシャーという専用の刃物を使いました。

穴あけには非常に気を使います。
角度を確かめながら慎重に穴を開けていきます。

仮組みまで完了して5日間の講座が終了しました。

朝早くから夜まで木工漬けの毎日でしたが、とても充実した時を過ごすことが出来ました。
(文責:小野)
- 2009/12/13(日) 01:36:14|
- アメリカのグリーンウッドワーク
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今年度に入って、福島県いわき市、大阪府堺市、近場で岐阜県高山市等、いろいろ出かけていきましたが、とうとうアメリカまで行ってしまいました。
10月末から11月にかけて約10日間、私を含めた会員4名でアメリカノースカロライナ州にあるカントリーワークショップスに滞在しました。
ここは人里離れた大自然の中に位置し、周りにいるのは放牧された牛と養殖池の鱒だけ?お隣さんまで歩くのは大変です。

経営者はドリュー・ランズナーさん。
アメリカにおけるグリーンウッドワークの第一人者です。

昨年10月と11月に来日していただいた際には、ここ美濃市において椅子づくり講座の講師をしていただきました。
今回は5日間のアメリカンウインザーチェアーづくりの講座に参加しました。

←森の中の宿泊棟
ここには宿泊施設も完備されており、滞在中は奥さんのルイーズさんの手料理が出されます。
この料理を目当てに講座に参加する方も多いとか。
毎日変わるメニューのバリエーションには驚かされます。

講座開催日の前後にはクラフトツアーと題して、いくつかの工房巡りもしました。
それでは、講座の詳細はまた次回。
(文責:小野)
- 2009/12/11(金) 23:58:04|
- アメリカのグリーンウッドワーク
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12月に入り、今年もあと1ヶ月をきりました。
こちら美濃では紅葉も終盤を向かえましたが、まだまだ暖かな日が続いています。
今年の5月に始めたスプーンづくりの連続講座も今回で6回目を迎えます。
年末の押し迫った日の開催ではありますが、一日木と向きあってスプーンをつくってみませんか。
第6回「グリーンウッドワーク スプーンづくり講座」日時:平成21年12月27日(日)9時~17時
定員:10名
場所:森林文化アカデミー森の工房周辺(岐阜県美濃市曽代88)
※材料費、保険料などがかかります。詳細お問い合せください。
【お問い合せ・お申し込み】
事務局;小野 敦
greenwoodworker@gmail.com
- 2009/12/02(水) 23:02:03|
- 森工塾・講座のご案内
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