スペインでつくられているゴッホの椅子はポプラが使われているそうですが、
今回は材質的に近いと思われるホオノキを使用しました。
先日のスプーンづくりと同じく、岐阜県可児市の里山整備団体「里山クラブ可児」から
提供していただきました。

二班に別れて二脚の椅子を試作します。
一脚は見本に倣って芯持ちの細い枝を使います。

もう一脚は、大きな丸太から割っていきます。

スペインの片田舎では、こんな作業風景が繰り広げられていたのではないでしょうか?

濱田庄司さんの文献では、「両手に柄を握ったカンナで皮をはぐ。」とあります。
多分、銑(ドローナイフ)で削っていたのでしょう。

この日はグリーンウッドワーク協会会員で北海道木育ファミリー代表の煙山泰子さんも
特別に参加してくださいました。
見本の椅子から計測したチェアースティックを基に木取りしていきます。

穴あけはもちろん手回しドリルです。

後ろ脚は背中にフィットするように微妙な角度が付いています。
穴あけの終わった後ろ脚、芯持ち材です。

「ナマ木なので丸い孔へ角だって削られたままの横桟が水をふいて叩きこまれる。」と
濱田さんが言うとおり、現物に忠実に製作します。
計測治具を使って四角いホゾをつくります。

丸いホゾ穴に四角いホゾを無理やり叩きこみます。

はたして当時、貫は生木のまま乾燥させずに組み立てられていたかどうかははっきりとしませんが、
この日は脚も貫も生木のまま組み立ててみることにしました。

一日目は前脚と後ろ脚を組み立てたところでタイムオーバー。

「一脚の骨組みの仕上りにちょうど15分。」という濱田さんに記述には到底及びませんが、
ラダーバックチェアの工程では5日かかるところを共同作業ではありますがほぼ一日で完了。

いよいよ翌日は椅子が完成する予定です。
翌日の報告は加藤慎輔さんよろしくお願いします。(小野)
- 2013/02/27(水) 15:00:00|
- ┗ 椅子づくり
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
これは河井寛次郎記念館から特別にお借りした「ゴッホの椅子」です。

この椅子を再現すべく、会員有志が集まりました。
まずは文献調査から。

かつて、陶芸家の濱田庄司や木工家の黒田辰秋が絶賛し、
近年では、建築家の中村好文さんが意中の椅子として紹介しています。
グリーンウッドワーク協会でもブログやフェイスブックで紹介する中、
木工家の谷進一郎さんから「ゴッホの子ども椅子」の情報をいただきました。
お子さんが実際に使っていた椅子だそうです。

そしてなんと、その椅子をいただけることになりました。
この椅子を分解してみます。

分解することによってホゾ形状やほぞ穴の深さが判明、
ドリルビットの形状までもが推測できます。
ラッシュの座編みをほどいてみると、隠れていた座枠の形状もわかります。
また、ホゾのインターロッキング(切り欠き)の方向を確認することにより、
組み立ての順序を知ることができました。

これらを参考にして、いよいよ製作に入ります。
つづく(小野敦)
- 2013/02/27(水) 00:21:25|
- ┗ 椅子づくり
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
静岡県島田市に流れる大井川
その中流域に位置する川根町は川根茶で有名です。
そしてもう一つ、大井川といえばSLで有名な大井川鉄道があります。

そんな川根町の自然に囲まれた笹間という地区に
「山村都市交流センターささま」があります。
ここは小学校の廃校を利用した施設で、
宿泊や調理のできる部屋も完備されて、
生活体験活動やスポーツ・文化などの活動に利用されています。

この隣には旧中学校の施設もあり、
今後、陶芸や木工を充実させたいとのお話があり、
グリーンウッドワーク協会がお手伝いすることになりました。
2月18日(土)青く晴れ渡った校庭で木工教室を行いました。
間伐材の利用促進を目的として、
この周辺で切り出されたヒノキを材料として使用しました。

削り馬にまたがって、四角い塊に製材していきます。

のこぎりを使って約7cm角の立方体をつくり、
手回しドリルで穴を開けます。
見本はこちら

そう、サイコロです。
出来上がったサイコロ鉛筆立て。

わずか二時間あまりの短い時間でしたが、
参加者の皆さんには生木を削る始めての体験を
楽しみながらも、真剣に取り組んでいただきました。

今後、木育活動や木工製品の商品開発にも力を入れて行きたいと
おっしゃっていました。

笹間の地に子どもたちの歓声が戻ってくる日も、
そう遠くはないかもしれません。
(小野)
- 2013/02/21(木) 23:34:30|
- ┗ その他イベント等
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
2月16日(土)に静岡県島田市川根町笹間地区の
「山村都市交流センターささま」で行われたイベントの様子が、
静岡新聞に掲載されました。

↑画像をクリックすると大きくなります(2月20日静岡新聞朝刊)
詳細は次回のブログで紹介いたします。
- 2013/02/20(水) 21:07:03|
- 新聞・雑誌記事
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
2月17日(日)グリーンウッドワーク協会会員の岩出さんが
足踏みろくろを使ったスプーン講座で講師デビューされました。

↓詳しくは、こちらをクリック
加藤慎輔さんのブログ「生木生活」
- 2013/02/19(火) 17:23:04|
- その他
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
ゴッホの椅子をご存知ですか?
画家のゴッホが南仏のアルルという町の黄色い家に住んでいたころ、
寝室に置かれていた椅子だそうです。
その絵がこちら↓
![Vincent_Willem_van_Gogh_135[1]](https://blog-imgs-36-origin.fc2.com/g/r/e/greenwoodwork/2013021118181346e.jpg)
(ファン・ゴッホの寝室 1889年)
ゴッホが描いたこの椅子は、古くからスペインでつくられているもので、
フレームはホプラ、座は蒲の葉で編まれています。
この椅子が、京都の河井寛次郎記念館に展示されていると聞いたため、
グリーンウッドワーク協会の会員有志で見に行くことになりました。
記念館の入り口から中に入ると、
ありました、それも三脚も!

(館内には更に二脚展示されていましたが、
これらの椅子は寛次郎さんのコレクションでは無いそうです。)
ゴッホの描いた椅子と比べてみましょう
↓ファン・ゴッホの椅子 1888年

まさしく本物!
許可をもらって計測させていただきました。
驚いたことに脚は芯持ち材が使われており、
接合部は丸いホゾ穴に角ばった貫が差し込んであります。

生木の丸太から45分で完成させたという逸話も
まんざら冗談ではないように思えました。
シェーカーの椅子の原点といわれているこの椅子、
グリーンウッドワーク協会でつくらない訳にはいきません!

只今、「ゴッホの椅子づくり講座」を企画中です。
乞うご期待を!
(小野)
- 2013/02/13(水) 12:00:13|
- その他
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
大阪で活動している「一般社団法人自然大陸」から
二名のお客様が美濃に来られました。
「自然大陸」とは・・・(以下、HPより抜粋)
自然を活用した多様な活動を通じて、
環境教育の促進や、参加する人々健康への貢献、地域の活性化、
緑豊かな自然の保全に寄与することを理念としています。
>>>自然大陸のHPはこちらをクリック今回美濃に来た目的は、グリーンウッドワークを
活動に取り入れるための技術研修です。
足踏みろくろを使ったスプーンづくりを体験したり、

大阪での活動に必要な道具である削り馬づくり等を行いました。

グリーンウッドワークの手法を使って高校の授業に活かしたいそうです。
今後の活躍に期待大です!
(小野)
- 2013/02/12(火) 12:00:07|
- ┗ その他イベント等
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
2月9日(土)森林文化アカデミーを会場として木のスプーンづくり講座を開催しました。
昨年11月に岐阜市の
鵜飼ミュージアムで実施して以来、3ヶ月ぶりの開催となりましたが、
県内外から4組7名もの参加者の方々に集まってもらいました。
今回使用した木は、森林ボランティア団体
里山クラブ可児の方々が森林整備で伐採したホオノキ。

割ったばかりの生木の朴(ホオ)は、赤身部分の緑色が鮮やかで非常にきれいです。

参加者の皆さんは生木を削る感触を楽しみながら、ものづくりの時間に没頭していました。

受講後の感想に、「この講座は心のケアに有効だ」と話してくださった参加者のコメントが印象的でした。

今年も定期的に木のスプーンづくり講座を開催します。
日程が決まりましたら、メニューの年間スケジュール欄に掲載しますのでお待ちください。
(小野)
- 2013/02/11(月) 14:55:15|
- ┗ スプーンづくり
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
竹細工をするための新しい作業場が確保できましたので紹介します。
美濃市内にある「番屋二号館」(NPO法人 美濃のすまいづくり) をお借りしました。
外観。

専用駐車場は無いので、市営駐車場を利用します。
早速、畳を持ち込んで作業中。

上から見ると・・・

この建物は元は金融機関だったもので、外観からは解らないけれど、作業場は吹き抜けで天井がやたらと高いです。
広々としていて、気分は良いです。

現在は、毎週(出来るだけ)水曜日と金曜日 9時頃~17時頃 に作業をしています。
興味とヒマがある方々は見に来てください。
いずれはここで竹細工講座や、作ったものの販売が出来たら良いな、と考えています。
準備ができたらお知らせします。
(キト)
- 2013/02/09(土) 09:57:15|
- 竹細工の技術継承
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0