\ろうきん森の学校・岐阜地区/
足踏みろくろで木の器づくり講座
秋の空が高く広がって、心地いい風が吹くろうきんの森です。

2021度前期・3回目の足踏みろくろで木の器づくり講座はじまりました。
今日の材料はミズメ。樹皮や材観がサクラに似ていることから、ミズメザクラ(水目桜)とも呼ばれますが、 実は桜ではなくカバノキの仲間です。
樹皮がサクラに似ているからでしょうか。
サリチル酸メチル含むので枝を折ると湿布薬のような独特のにおいがします。
別名ヨグソミネバリ(夜糞峰榛)やアズサ(梓)とも呼ばれます。夜糞峰榛って!凄い名前ですね。
鮮やかな赤みをおびた木目がきれいで手触りもいいので、ちょっと重いけどとても好きな木です。

今日も5人の参加者のみなさんが1日中ろくろをふみつづけます。

山登りやマウンテンバイクがお好きという常連のSさん。器作りは5回目の参加というツワモノです。「前から参加しているけど何もできないので…」と謙遜されていますが、アウトドアの器などをぜんぶグリーンウッドワークでつくるのが目標とおっしゃって「グリーンウッドワークで暮らしの道具づくり連続講座」にも参加されています。
グリーンウッドワーク協会の理事でもあるNさんも「足踏みろくろの器作りは本格的にやったことがないので、ゆるーく参加して、出来なかったら生木の木工教室(月に3回程度開催しています)に行きます。」とご参加くださいました。「上手くならないのでグリーンウッドワークの広報をやってます。」なんて、もう自虐ネタのテッパンですが、いつも講座の告知などシェアしてくださる頼もしい会員さんです。
和歌山からお越しの Mさんは山で生活したいと今年の春に沖縄から和歌山に引越され、いまは森林組合にお勤めとか。木にかかわりたくて海から森へと引っ越されるなんてすごい行動力ですね!
京都からお越しのHさん。建築大工仕事をされていて、生木からつくる木工に興味があって参加されました。ぜひぜひグリーンウッドワーク温泉の常連になってください♪
山県からお越しのIさんはろうきん森の学校 森の工房づくりワークショップに参加され、ウッドデッキと小屋のへぎ板づくりなど体験されてから「グリーンウッドワークに関わる人がいい人たちばかりでそこに惹かれて参加しています。」と、会員にもなってくださいました。
わたしも同感で、ほんとに気持ちのいい人ばかりなので、そう言っていただけてとてもうれしいです。
本日も講師の大村さんの指導により、4時までには全員が挽き終わるという安定の講座運営!

皆様の感想です。

3次元で刃を当てるのが難しくかったが、
当て方が解ってするすると削れると気持ちよかった。
これから修行です!
自分でも足踏みろくろをつくって器挽きをやっていきたい。
足と手をリズムよく合わせるのが、
うまく行く時は足を踏み込んだ時に手がのっかて、
うまくしゃっしゃって乗っていけた時に滑らかに削れるのが気持ちよかった。
これまでの講座では「がっがっ」て引っかかっていたのが、
今日は今までで一番上手くできた!
とっても楽しい気分です。
キャンプに持って行って使いたい。
また来てもっとできるようになりたい。
森林組合で支障木が出ることがあるので、利用できるといいなと思った。
木工機械なしでここまでできるのはすごい。ろくろが欲しくなった。

皆様ご参加ありがとうございました。
文責:前半ばきちゃん、後半おの
- 2021/09/25(土) 20:19:18|
- ┗ 器づくり
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5ヶ月かけてスキルアップするから初心者でも自然に上達。
必要な道具がそろって、技術が身につく
\ククサづくり連続講座/のご案内フィンランド北部のラップランドに伝わる伝統的な木製マグカップ「ククサ」
使う人の幸せを願いながらひとつひとつ丁寧につくられていて「贈られた人は幸せになる」 と言われています。グリーンウッドワークでもククサをつくりたいというご要望がとても多いのですが、グリーンウッドワークをはじめたばかりの人がつくるには難しいアイテム。
そこで、斧の使い方や基本となるナイフワークからはじめ、順番にスキルアップしながらククサをつくる技術をひとつずつ身につける連続講座を企画しました。
無理のないスケジュールで自然と上達できるから、はじめてでも安心。
本格的な道具が毎回1つずつそろうので、自宅でもグリーンウッドワークを続けることができる、おすすめの講座です。
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開催スケジュール
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① 11/23 (火・祝)
斧の使い方とチョッピングブロック
道具:グリーンウッドアックス
② 12/18 (土)
ナイフワーク基本編
道具:ストレートナイフ
③ 1/22 (土)
ナイフワーク応用編 スプーンをつくる
道具:フックナイフ
④ 2/19 (土)
彫る技術 ニマ風の器をつくる
道具:ガウジ(叩きノミ)
⑤ 3/26 (土)
ククサをつくる
道具:フックナイフ(両刃)
━━━━━
開催概要
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場 所 みの木工工房FUKUBE3階(岐阜県美濃市長瀬545)
時 間 10:00〜17:00
受講料 〈一括払い〉62,000円(税・保険代金含む)
対 象 大人(中学生以上)
定 員 10名(先着順・全日程参加できる方に限ります)
講 師 小野敦(NPO法人グリーンウッドワーク協会)
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お申し込みについて
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オンラインストアの
専用ページからお申し込みください。
※この講座は、定員に達しましたので締め切らせて頂きました。- 全日程参加できる方に限ります。振替受講はありません。
- 受付期間は、各講座開催日の2ヶ月前から1週間前(先着順)です。
- オンラインストアからお申し込みください。参加費の入金をもって受付とします。
- クレジットカード決済、コンビニ決済、翌月後払い、PayPal、銀行振込、キャリア決済、楽天ペイがご利用頂けます。

申込期間:2021/09/23 00:00 〜 2021/11/16 23:59
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キャンセルポリシー
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申し込み後、やむを得ない理由によりキャンセルされる場合は事務局までご連絡ください。キャンセルのご連絡日により、下記の通りキャンセル料を申し受けます。
恐れ入りますが、お席を確保し、準備を整えてお待ちしておりますので、予めご了承ください。
(1)受講日15日前まで…なし(決済手数料と振込手数料を差引いて返金)
(2)受講日14日前~3日前まで…受講料の50%
(3)受講日の前日~当日(連絡なしの不参加含む)…受講料の100%
※キャンセル料・決済手数料・振込手数料を差し引いた金額をご返金いたします。
※オンラインストアのシステムの都合上、決済方法ごとにキャンセル時期によって決済手数料が異なります。その都度確認してご連絡しますのでお問い合わせください。
※当法人の都合での講座中止に関しては、受講料金は全額返金いたします。
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注意事項
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▶ 子ども料金は小学生以下を対象とします。(乳児は無料)
▶ 申込が定員の半数に満たないときは開催できない場合があります。
▶ 開催日の1週間程前に詳細のご案内をメールにてお送りします。
持ち物や駐車場の場所等はそちらでご確認ください。
▶ 開始時刻の10分前までに開催場所にお集まりください。
▶ 動きやすい服装でお越しください。(サンダルスカート等はご遠慮ください)
▶ 参加費には保険代金を含みます。
▶ 傷害保険に加入しておりますが怪我等には十分ご注意ください。
- 2021/09/23(木) 00:00:00|
- 森工塾・講座のご案内
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山添村キハダのラダーバックチェア講座
連載最終回
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みなさんの感想は…

とにかく一回グリーンウッドワークにふれてみたいと思って勢いで申し込んだ。
来てよかった。
普段仕事でやっている木工とは違って、価値観がグルグルさせられるというか、いかに早く効率良く同じものをつくるということではなく、自分のためにつくれたというのが、ものすごくいい時間だった。
遠いがまた参加できたらと思う。

︙
丸太からここまでできるというのが貴重な体験だった。
一生ものになると思うので大切に使っていきたい。
他のグリーンウッドワークにも参加してみたい。

︙
自分でもほんとにできるのかなと途中不安にもなったけど、一本の木から座のテープやクッションまでぜんぶキハダで出来たのがすごい。
感動しました。
みんなでワイワイ助け合ってできるところも椅子づくり講座の良いところだと思った。

︙
グリーンウッドワークをはじめて3年目くらいになるけど、思うことがいっぱいあった。
楽しく木を削っちゃおうという思いをまた新たにした。

︙
今回は主人の椅子をつくった。
喜んでくれるか楽しみ。
グリーンウッドワークを何年かやってきて、道具も家にあるけど、ここに来てみんなでやるのが楽しい。
蒸し曲げはハードルが高くてできないけど、やっぱり(グリーンウッドワークが)好きだと思った。
自分でできそうなところからやっていきたい。

︙
去年キハダを知ったけど伐採が済んだ後だったので、今年の夏をすごく楽しみにしていた。
このコロナ禍で唯一の楽しみだった。
通っている木工教室は黙々とつくるので、みんなと助け合ってやるのははじめての体験で、6日間楽しかった。
山添村も気に入っているのでまたスツールをつくったり、来年もここで椅子づくりにぜひ参加したい。

︙
後脚を削っている時点で、初の脱落者になるんじゃないかと思ったけど、先生やスタッフをはじめ、受講生のみなさん、すべてのサポートを使いきって、なんとかかたちにできた。
家に木のものがある、これからいっしょに生活できると思うとすごくうれしい。

︙
椅子づくりをやってみたくて、もうちょっとできるかなと思って参加した。
はじまったときはハードルが高くて、自分では5割くらいしかできてないと思うけど、出来上がって満足感は100%!
素敵な時間を6日間過ごせた。
ありがとうございました。
楽しかった。

︙
もっと簡単にできるかと思って安易に参加したけれど、みんなに助けてもらってできた。
家の前に立っているキハダがこんな風に生活で使えるものになって、ひとりひとり違う感じになってすごいなと思った。
また家に帰ってあらためて木を眺めたい。
つくることが好きなのでまたいろんなものをつくっていきます。

︙
作業が遅くてみんなに助けてもらいながらで、ありがとうございました。
いま疲れているけど、すごく満足してます。
機会があれば、こんどは助ける側として参加したいと思う。

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この椅子づくり講座で
グリーンウッドワーク沼?
グリーンウッドワーク温泉?にハマる人が
増えたらうれしいなぁ。

今回の椅子づくり講座もたくさんの木人(コビト)さんが
手伝いに来てくださいました。
グリーンウッドワークの講座は
参加者としてだけじゃなく、助っ人木人さんになって
サポートに来るのも楽しいんです。
来てくださったみなさん、
がっつりお手伝いありがとうございました!

夜またみんなでワイワイできる日はいつ来るんでしょう。
またみなさんとお会いできる日を楽しみにしています!
ありがとうございました😊
(ばきちゃん)
- 2021/09/10(金) 07:22:43|
- ┗ 椅子づくり
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山添村キハダのラダーバックチェア講座
6日目組み立てと座編み(9月5日)
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開始時間は9時半ですが、
8時半にはほぼ全員集合して作業に入っていました。
仮組みをして背板の型を決めたら部材に写し取り
ほぞ穴にしっかり入るよう削っていきます。
9時半になったところで
デモンストレーションで一脚組み立てて
作業の流れをみなさんに見ていただきました。

しっかり貫を打ち込んで背板がおさまったら
座面の台形、貫の平行などを見て
全体のバランスを整えます。

ずれたり歪んだところを見極めたら
傾けた状態でポイントをグイッと押さえると
歪みがまっすぐに整っちゃう。
なんだか小野ちゃんが整体師に見えてきました。

それで修正ができちゃうところも
グリーンウッドワークならではですね。
組み上がったら面取りをして、これでフレームは完成。


参加者のみなさんもペアを組んでめいめいに
背板の仕上げやフレームの組み立てに入ります。

背板をとめる木釘もキハダで作りますよ。
背板の仕上げで出た端材を5mmほどに割ったら
ざっと角を落として4.5mmの穴に打ち込むと
きれいな木釘が出来あがりました。

ここでお昼ごはんのお弁当。
そろそろ気持ちもカラダも疲れが出る頃なので
手づくりのご飯にホッとします。

午後からはいよいよ座編みです。
ちょっとドキドキしながら
キハダの綿テープで編んでいきます。

なんとも優しい落ち着いた黄色に仕上がりました。
光が乱反射することでできる深みのある色合い、
立体感は、合成染料にはない魅力があります。

椅子づくりっていろんな技術があるので
削るのが苦手でも座編みが得意だったりして
面白いですね。
ゆるいと使ううちにたわんでしまうので
とにかくしっかりと引っ張って
テープを引きしめていきます。
座面の素材や色が違うと印象がずいぶん違いますね。
鮮やかなアクリルテープや
真田紐の網代編みも素敵です。

黙々と編み続けて「出来た!」「終わった!」
の声が聞こえると思わず拍手!

疲れたカラダで出来立てホヤホヤの椅子に座る

至福の時✨みなさんいい表情してますね〜😁

完成した椅子が増えてくると恒例の座り比べタイム♪
椅子取りゲームじゃないですよ。

背板の角度や座面の硬さがひとつひとつ異なるので
比べると座り心地が違うんです。
並べると、背板の模様や黄檗の黄色の残り方など
表情がとても豊かで個性的。
キハダってほんとに面白い材ですね。
最後は記念撮影も明るいうちにできて
はじめてナイフに触るようなひとも
木工を仕事にされているひとも
何度も椅子づくり講座に来ているベテランさんも
全員キハダラダーバックチェアを完成できました。

つづく
(ばきちゃん)
- 2021/09/09(木) 07:27:44|
- ┗ 椅子づくり
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山添村キハダのラダーバックチェア講座
5日目仮組み(9月4日)
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7月の講座から2ヶ月ぶりの再会。

なんだか久しぶりのようなそうでもないような?
ちょっとそわそわした感じがしましたが
講座がはじまるとあっという間に
前回の続きの打ち解けた空気感に。
椅子づくり講座ってこれが楽しいんですよね。
キハダのラダーバックチェアづくりも5日目
前回削った貫を南京がんなで整えます。
これで部材もほぼ出来上がりました。
後脚と前脚もだいたい仕上がっているようなので
まずは横の側(側面)から組み立てるための
ホゾ穴をあけていきます。

ペアの参加者にサポートしてもらいながら
どんどん開けていきますよ。

前後6箇所ずつ穴があいたら
仕上げた貫をショックレスハンマーで打ち込んで
左右のフレームを組み立てていきます。
ここまで出来たらお昼ごはん。

施設のお隣のお店のお母さんがつくる
家庭料理のお弁当をいただきます。
おばあちゃんちで食べたご飯の味がする〜♡
お野菜いっぱいの優しいお弁当に癒されました。
午後からはフレームの前後をつなぐホゾ穴あけ。
台形の座面なので穴の角度に注意しながら
脚を固定して、手回しドリルで穴をあけます。
何箇所もやるうちにだんだん慣れて
みなさんとても上手です。
後脚と前脚をつないだ左右のフレームを
細めに削った仮の貫でつないで仮組み。

ベルトクランプで絞めると椅子の形が見えてきました。
前回蒸し曲げした脚が一本ぐにゃっと変形してます。

こんなに曲がることもあるんだって見本になりますね。
毎回予備で削ったものを見本にするのですが
余った材料でつくるのでなかなかの個性派が揃います。
こういう子を完成させるのがまた楽しいです。
さあ、ここからペースをあげて背板を仕上げますよ。
4サイズずつある型をホゾに差し込み

背板のカーブの角度を決めていきます。
後脚のレリーフから自然に続くカーブになるように
上下の背板を選んだら、それを前回蒸し曲げした
背板の部材にあてて型をとります。
銑で削ってかたちが決まったら
ほぞ穴にピタッとおさまるように調整。

何度も厚みを確認して仮組み出来たら
今日の作業は終了です。

明日はいよいよ組み立てと座編み。
明日の同じ時間ごろには13脚のラダーバックが
山添村木工館の中庭に並びますよ。
お楽しみに!
(ばきちゃん)
- 2021/09/08(水) 07:45:00|
- ┗ 椅子づくり
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ろうきん森の学校 森工塾
「柿渋液づくりと柿渋染め」講座
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参加者のみなさんは暑くて大変だったと思いますが
柿渋染はおひさまのチカラが頼りなので
眩しいくらいの青空とジリジリした日差しは
柿渋と相性バッチリ❣️

数日前から雨続きで天気予報と睨めっこしてたので
一日中晴れ予報というだけで
もう無事終わったくらいの気持ちです。
今日の講師の加藤 哲利(てっちゃん)は
柿渋だけでなく革細工や燻製のプロでもあります。
好きなことをひたすら探究する姿に
いつも学ばせていただいてます。

講座では土岐市と古城山の青柿を使います。

土岐市の青柿は朝6時半から
てっちゃんがあらかじめ採取してくれたので
参加者のみなさんとは古城山の柿を採りに行きました。
柿の木は、根を切って別の場所に埋めておくと
付け根から芽が出る性質があって
それを利用して増やす「根伏せ」という
栽培方法がありますが
森の崖ぎわにも「根萌芽(こんぼうが)」といって
伐ったあとの根から芽が出て増えたと思われる
小さな柿の木が数本ありました。

残念ながら実がなるまで育っているものは少なくて
みんなで目を凝らして探して
ようやくひとり数個採取することができました。

管理棟にもどったら
まずは古城山の柿でデモンストレーション。

ヘタを取って細かく切ったらミキサーにかけます。


ぎゅっと絞ると美味しそうな緑の柿渋液がとれました。

土岐の柿も同じように細かくしてミキサーにかけ
一番液、二番液と絞っていきます。
午前中には作業を終えることができました。

午後からは柿渋染。
今年は正式に講師を務めさせていただきました。
柿渋液づくりというと
やってみるまでは難しそうですが
細かくして絞った液を瓶詰めして
様子を見守りつつ
涼しいところに置いておくだけという手軽さ。

ホームセンターにある自然塗料と呼ばれるものの多くは
数%の石油由来の溶剤が入った製品ですが
柿渋液は紛れもなく100%自然塗料なんです。
先日のワークショップで建てた小屋の壁や床も
柿渋で塗ってあり、日にあたって変化している様子を
見ることができます。

一般的な草木染が日光で色抜けするのとは逆ですね。
数ヶ月日に晒した草木染の色見本を用意したので
柿渋で染めた色の変化といっしょに
実際に見ていただけてよかったです。
昨年の柿渋染講座のあと
ムラになったり色が抜けてしまったと聞いたのが
草木染を本格的に学ぼうと思ったきっかけでしたが
学んだ成果はあったかなと思います。
そんなわけで、今回は
①割り箸を使ったハンカチの絞り染め
②手ぬぐいの板締め絞り
③輪ゴムを使ったトートバッグの絞り染め
のデモンストレーションをして
参加者のみなさんの好き好きに染めてもらいました。
直前でお願いした板締め絞りの木型がかわいくて
快く引き受けてくれた小野ちゃんに感謝。
そして、頼んだらすぐできてしまうことに感動です。
一瞬自分でできたらいいなぁと思ったけど
こういうことは出来る人に任せたほうが安心ですね。

柿渋は平安時代末期から使用され
江戸時代に入ってからは木材の保護や染料、防腐剤など
幅広い用途に用いられてきました。
現代でも防腐、防水、防虫、消臭
抗菌、抗ウイルスなどさまざまな効果があるとされ
暮らしに取り入れられています。
そんな柿渋染ですが、残念なことに
ちょっと難易度が高いというイメージがあって
お家で気軽にというのは難しいようです。
暮らしの中のタンニンの役割も伝えたくて
鉄媒染も使った講座にしてしまったけど
媒染しなければ綿にも下処理なしで染められて
浸して天日干しするだけなので意外と簡単なんです。
染めたはじめはかたいけど
使ううちにクタクタになっていくのも魅力です。
ぜひ晴れた日にはおひさまにあてて
濃くなる色を楽しんでください。

︙
講座では長くなるので難しい話はしませんでしたが
わたしは天然染料の歴史が
グリーンウッドワークとよく似ていると思っていて
そこも伝えたいなと考えていました。
グリーンウッドワークがかつての暮らしに
あたりまえにあったように
植物を使った染めも暮らしの一部でした。
ところが、天然染料は媒染などの手間がかる
色の再現性が悪い、染色の均一性が悪い
堅牢度が低い、発色が悪いなどの理由で
1856年にイギリスの少年が合成染料を発明すると
ヨーロッパで普及し、日本でも明治から大正にかけて
あっという間に合成染料に置き換わってしまいました。
いま、自分のまわりをみまわしても
ほとんどの色が合成染料で染められています。
天然染料のデメリットは
ひっくり返せばそのままメリットになります。
植物から得られる染料は
植物の老若や採取する部分、成育環境
採取した季節などによって
色素成分の質や量が変わってくるので
毎回毎回、二度と得られない色との出会いです。
ムラにもなりやすいけど、深みのある色合いや
立体感は合成染料にはない魅力があります。
(このあたりのことやタンニンの変化などは
グリーンウッドワークで手で削っていると
直接感じる違いにリンクしています)
ほんの少し前の世代まで
エネルギーを得たり木工や染色のために
その季節にあった必要な植物を採りに森に入って
食べたり染めたり道具をつくったりすることで
日々の暮らしと地域の里山がつながっていました。
それは一見面倒だったり非効率に見えるのですが
実際に体験してみると思った以上の感動や喜びがあります。
講座の最後にお話ししましたが
「四十八茶百鼠」のエピソード
江戸時代、庶民の華美、贅沢を禁じた
幕府の奢侈(しゃし)禁止令に対して
人々が茶や黒、鼠系統の地味な色合いに
さまざまな変化をつけて
それぞれの色に当時人気の歌舞伎役者や
風月山水などの名前をとってつけ
楽しんだというもの。
48とか100とかは語呂合わせだけど
実際に草木染の古書には茶色系統や
鼠色系統のバリエーションがとても多いです。
中でも黒にかけた熱意には驚きます。
水戸黄門(水戸藩二代藩主徳川光圀公)が
愛用していたとされる(水戸黒)なんて色も。
こういう暮らしの楽しみ方、とても素敵だと思います。
グリーンウッドワークも草木染も
こんな粋で楽しい遊び、ほかにないと思うから
夢中でやっているんだと思います。
緊急事態宣言が発令されるなか
キャンセルや中止する講座も出てきましたが
この状況がこれからもスタンダードと思うと
屋外の活動は普段どおりの感染対策をしつつ
粛々と続けていきたいと思います。
参加者のみなさんに助けてもらいっぱなしでしたが
楽しかったと感想を聞けてひと安心です。
みなさんありがとうございました💖

(ばきちゃん)
- 2021/09/07(火) 07:26:18|
- ┗ ろうきん森の学校
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グリーンウッドワークで暮らしの雑貨づくり
連続講座⑤キッチンツールスタンド+スポークシェイブ(南京がんな)
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今月も終わりました😊みなさまお疲れさまでした!
この講座は、グリーンウッドワークで
暮らしの道具をつくるだけでなく、
毎回道具がひとつ手に入り
それぞれの道具の使い方を学びながら
グリーンウッドワークを長く続けていけるだけの
基礎的な力をつけるのが目的です。
5回目となる今回は、これまでつくったジャムスプーンやスプーン、レードルを収納できるキッチンツールスタンドを、シュリンクポットでつくります。

シュリンクポットとは、北欧生まれの木の容器。
生木のうちに筒をつくり、内側に乾燥した底板をはめておくと、筒が乾燥して縮み、底板が固定されるという、木の特性を生かした手法でつくります。
斧からはじまり、基本のナイフワークもしっかり使うので、これまで学んできたことの復習にもなります。
使う材料は伐採したばかりのコシアブラ。

見本を見て大きさを決めたら、必要な長さに切ります。

まずはクランプで固定しやすいように、斧ではつって平な面をつくります。

2箇所をクランプでしっかり固定したら、ドリルで穴をあけていきます。

木口に穴をあけるのは抵抗が大きくて、手回しドリルだとドリルの刃が外れることがあるので、シュリンクポットのときは「リングオーガー」という持ち手とドリルが一体になったドリルをつかいます。

貫通するまで穴をあけるには相当の腕力が必要なので、深い筒を彫るのは大変。今回はみなさんこれまでの経験から、ちょっと控えめな大きさにされました。笑

穴があいたら角を均等に落としていって、八角形にしてから中を削ります。

円柱にしたい人はさらに角を落として16角形、32角形と大まかに削っておくと、あとの作業が楽になります。

外側の形がおおむねできたら、先ほど開けた穴をストレートナイフを使って広げていきます。

筒の内径が狭いうちはナイフの刃先がうまく当たらないのでガタガタしますが、だんだん径が広がってくると、ナイフ全体を滑らかに動かせるようになるので、筒の方を回しながら刃先を少し押すだけで、シュルシュルと削れていきます。

ここまできてようやく「気持ちいい!」という声が聞こえてきてひと安心。
両側から削ると真ん中が盛り上がりやすいので、中心まで均等な厚みになるよう気をつけて仕上げていきます。

筒の中が出来たら、ここで登場するのが今回の道具の「南京がんな」。
今回も小野ちゃんがピカピカに研いでくれました。

セッティングの仕方などをレクチャーしたら、さっき八角形や円筒にざっくり仕上げた面の角をとりながらやさしくかんなをかけていきます。

まずはまわりのでこぼこがどんどん削れて、きれいな面になるのが気持ちいい!

やすりをかけなくてもピカピカに仕上がります。

底板づくりにもナイフワークを駆使します。
シュリンクポットの底板はこの日のうちに底をつけ終わらないと、乾燥してからではぴったりした底にならないので、ちょっとだけ急ぎます。
底板が入る目安の線を書いたら、ナイフの先端を使って溝を彫りすすめます。

ここに乾燥した材料で筒の内径と同じ大きさの底板をはめ込めば、あとは乾燥を待つのみ。

数日間おいて乾いて縮めば、接着剤なしでも外れない底ができます。グリーンウッドワークの醍醐味ですね。

余裕が有ればフタをつくります。こちらも乾燥すると変化するので、しっかり乾いて縮まなくなってから、筒の内側や外側を削って調整してください。
持ち手や素材を工夫すると、いろんなアレンジができて楽しいですよ。

さぁ、次回はいよいよ「ククサ」づくりです!
これまで学んだすべての技術を使いますよ。
世界にひとつだけのマイククサまであと少し!
楽しみですね♪

今回の連続講座は募集してすぐいっぱいになってしまったので、後期もククサづくり連続講座を企画しました!
まもなくチラシができるので、チェックしてくださいねー。
- - - - - - <今後の予定> - - - - - -
ろうきん森の学校・森工塾
グリーンウッドワークで暮らしの雑貨づくり連続講座(全6回)
❶4/25(日) ジャムスプーン+ストレートカービングナイフ❷5/23(日) スプーン+フックナイフ❸6/20(日) レードル+ドローナイフ(銑)❹7/25(日) プレート+カーブドガウジ(スプーン用彫刻刀)❺8/22(日) キッチンツールスタンド+スポークシェイブ(南京がんな)
︙
⑥9/26(日) ククサ+フックナイフダブルエッジ
満席のため募集は終了しています。
グリーンウッドワーク協会 ばきちゃん
- 2021/09/06(月) 07:55:19|
- ┗ ろうきん森の学校
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ろうきん森の学校 森工塾
森の工房ワークショップ
3回目は屋根の工事です!
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ろうきん森の学校岐阜地区、今年度の一大イベント
森の工房 増設計画もいよいよ大詰めです。
前回の7月23日にはワークショップ形式で栗の丸太をマンリキという道具を使って割り「へぎ板」という薄い屋根板をつくりました。
それと並行して、前々回雨で中止になって出来なかった、ウッドデッキの床と小屋の壁に、柿渋を塗った杉板をはりました。
柿渋を塗った板は日にあたることで発色するので、ひと月で赤みが増したような気がします。
小屋とウッドデッキはこの夏の親子キャンプのときに、シャワー室にしたり、テントをはって活用しました。
今回もインクのスタッフさんに教わりながら、割ったへぎ板を屋根にはっていきます。
岐阜県にまん延防止等重点措置が出たこともあり、参加キャンセルが相次いだので、今回は少数精鋭で屋根の工事に集中!

小屋の壁貼りと入口の建具はインクの中島さんが黙々とつくってくださいました。



空の様子を見ながらの屋根工事。
わたしも気になって、ランチの準備の合間をぬってちょこちょこ様子見に。
厚みがまちまちなのはともかく、栗の板が重なってなかなかの美しさです。「榑板(くれいた)葺き」というそうです。

今日のランチはビーフシチューとサラダ、マンゴー杏仁豆腐です。

雨が降り出したので少し早めに終了。
まだぜんぶははれていませんが、こうして集合写真を見ると、完成したみたい!

近日中には全体をはり終えたいです。
秋以降の森工塾2021後期講座でお披露目できると思うので、楽しみにしていてくださいね。
- 2021/09/05(日) 07:29:35|
- ┗ ろうきん森の学校
-
-
今日は関市の洞戸地区にある
子ども会の夏休み行事でグリーンウッドワーク!
13人のお子さんが森の色えんぴつづくりをしました。

子ども会がある地区の製材所さんが今日の会場。
この日の為にベンチ(しかも一枚板!)を
用意してくださって、広い日陰で作業できるのも
本当にありがたかったです。

この時期のコシアブラは水分がやや少なめですが
それでもサクサク削れます。

はじめは銑がこわいと言う子もいたけど
最後の方はもうひとりでどんどんやりながら
楽しい!気持ちいい!って声に出して
夢中になって削っていました。


地域の製材所さんがこうして身近に感じられたのも
良い機会だと思いました。


(ばきちゃん)
- 2021/09/04(土) 08:06:05|
- ┗ その他イベント等
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-
毎年恒例となりました、岐阜県山県市の
「みやまの森で木と触れ合う体験事業」
今年はおうちづくり

二時間半たっぷり掛けて、市内の小学生に生木の木工を体験してもらいました。

木のおうちづくりは今まで他のイベントで何度もやってきましたが、
屋根に色を塗るのが楽しい!
でも、大勢で一つのテーブルを囲むと絵具で汚れたり、色がはみ出したり、
結局何だか汚らしいものができてしまうことがありました。
その為今回は絵の具(塗料)を使わずに、革の端切れ用意。
そうすると海苔巻きのようにぐるぐる巻きに使っちゃう子も、まあ当然いますよね。

革を裏向きに使うと表情ががらりと変わります。

革を貼っても、貼らなくても、樹皮を残しても、
それぞれ個性があって楽しいおうちが出来上がりました。

「丸のまま使ってもいい?」
って聞かれたので、「自由につくりたいものをつくっていいんだよ。」
って言ったらこんなのができた。

一日目の成果
最初は友達とおしゃべりして話をなかなか聞いてくれなかった子が、銑の使い方に慣れてくると夢中になって削り始め、最後の別れ際にボソリと「楽しかった」
と呟いてくれて、してやったり(笑)

二日目は、木の形を活かしたこんなお家も。

お家を積み重ねて積み木みたいに並べるのも楽しい発想
街ができた!

いい夏休みの思い出になってくれるといいな。
(おのちゃん)
- 2021/09/03(金) 08:02:46|
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ばきちゃんからキハダで染めたコットンテープを受け取りました。
父さんは夜なべをしてせっせとのシワ伸ばし。

扇風機でしっかり乾かせます。

そして翌日、キハダのラダーバックチェア(試作)
編み上がりました!

キハダから抽出した染料で染めたコットンテープで編んだ座面。

落ち着いた自然な風合いに仕上がりました。
(フレームは試作のためクリ材を使用しています。)

名付けて「黄色い椅子」
そのまんまか。
キハダの椅子づくり講座の続きは9月は初旬。
それまで2ヶ月の間、色落ちしないか、色移りしないか、
耐久試験を(普段使い)してみたいと思います。
(おのちゃん)
- 2021/09/02(木) 08:02:53|
- ┗ 椅子づくり
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奈良県山添村の講座が終わってすぐ
キハダ農家さんを訪ねて
森に放置されていた葉っぱを
いただいてきました。


その後美濃に戻らずに大阪千里で講座だったので
車に積みっぱなしになってしまって
葉っぱは若干発酵しはじめていましたが
酵素でダメになる前に染められてよかったです。
朝から鍋いっぱいのキハダの生葉を煮出して
25mm×50mの綿厚綾テープを染めました。

キハダ材のラダーバックチェアに
キハダ農家さんの庭に干してある黄檗のような
目が覚めるような黄色の座面を張りたくて
思いつきで提案したのですが
黄檗は売り物なので使用できず
それ以外であの黄色をどうやって出そうかと
生葉や樹皮、削りくずなどを媒染をかえて染めてみて
いろんな実験ができて楽しかったです。
狙った色の染液にはなったのですが
50メートルをムラなく染めるって
めちゃくちゃ難しいですね。
ずっと動かさないとムラになるし
すぐ絡むのでたいへんです。

木綿のテープが無漂白なので地色が邪魔をして
1回染めだとあまりきれいに発色しませんでした。
2煎目の液で重ね染めしてようやく鮮やかな黄色に。

まだ乾いていなくて編めないので
なんとなくイメージがわかるかなーと
クリのラダーバックにのせてみたけど
やっぱり編まないとですね。

私は明日から出張なので
綿テープは小野ちゃんに託しました。
乾燥したらもう少し落ち着いた色になると思いますが
どんなふうに仕上がるか楽しみです!

(ばきちゃん)
- 2021/09/01(水) 08:02:45|
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