今年もアカデミーの学生さんたちと竹細工を行いました。(12/19、22)
”竹の利用と製作”の授業です。
竹林整備をやった次の日に竹細工を行ったんで、ちょっときつかったですね。
先ずは材料の話。立っているのは真竹です。
どの竹もちゃんと立ってますが、こんな風に切るのは結構難しいんですよ。

半割にしたものをそれぞれ細かく割っていきます。
ここから鉈(刃物です)の刃を自分に向けて動かすんで、怖いですよね。鉈を持つ手がなかなか動かせない。

割った竹を薄くへいで(剥いで)います。これも鉈を自分の手の方に動かします。

さらに細かく割る。
これ位細くなると、割るのに力が要らなくなるから、怖さも中くらい かな。

更に薄くへぐ。
後の仕上げの作業に影響するから、出来るだけ薄く均等にへぐため、しょっちゅう厚さを確かめてます。

幅引き。
専用の道具を使うのでらくちんな作業ですね。

厚さを仕上げる分決めの作業です。
伐り出し小刀で削ります。師匠はこの作業を ”切り出しですく” と言ってました。
切り出しの角度を細かく変えながら、注意深く必要な厚さ(0.6~0.7mm)迄 ”すき” ます。

分決めが終わったら、厳しいチェックが入ります。
駄目ならやり直しなんだけど、厚いものを薄く仕上げることは出来ても、薄くし過ぎたら、交換です。

分決めの後は面取り。
ほんの僅か、角を落とすだけで手触りも見た目も良くなるんですよ。
それじゃダメでしょう、なんて言ってるわけではない。

ヒゴが完成してようやく編みに入ります。
先ず底編みの六つ目から。最初の六つ目は図だけ見て自分で編んでもらいます。
六つ目編みは、見れば六角形だってわかるけど、編むのは結構難しいんですよ。

ワオッ
!
これも最近やってる方法で、最初の六つ目が出来た段階でテープで台紙に貼り付けてます。
こうするとずれにくくなるので、両手を使って編みやすくなるんですね。
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立ち上げのための曲げくせを付けてます。

波縁を編んでるんですが、方向が同じでないと分かりにくいんでしすよ。

ちょっと見にくいですが、黄色いシールが貼ってあります。
波縁はヒゴを束ねてあっちこっち差していくので、どこに差すのか割るようにする目印です。

力竹を差して並べてみましたが面白い形ですよね。

全員無事に完成。お疲れさまでした。

学生のみなさんの感想として、ヒゴ作りに時間がかかること、ヒゴ作りの大変さ、仕上げの精度が編みにく影響することなど、分かっていただけたようです。
竹を見る目が変わったという声もありましたが、竹細工にも興味を持ってもらえると嬉しいですね。
このブログを入力し始めた時に、テレビで第九が始まったのが、第5に替わって(但し第4楽章)ようやく終わりました。
来年こそはみなさんにとって良い年でありますように。
(キト)
- 2022/12/31(土) 21:52:53|
- 竹細工の技術継承
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