津田教授に学ぶすばらしき菌類の世界
舞茸原木栽培と草木染
2日目は舞茸の菌接種と津田教授の菌学講座です!
きのう暗くなるまで染めたたくさんの生地が朝の森にはためいています。
同じコナラの染液✖️鉄媒染だけど、生地によって仕上がりがぜんぜん違って面白いですね。

さぁ、今日は念願の津田先生の講座です。
菌学、線虫学の専門家で岐阜県立森林文化アカデミー教授の津田教授。

参加者の皆さんも興味津々、それぞれに聞きたいことがいっぱいです。
きのこだけでなく、納豆や日本酒、里山の利活用など、さまざまな切り口から出る質問に丁寧にお答えくださいました。
きのこのさまざまな生活スタイルと、そのきのこに関わり、関わられながら暮らす生き物たちのお話し。
それぞれに思惑があって進化したのでしょうが、共生があれば寄生もあって、
長い時の中、全体でバランスをとりあっているのを聞くと、
なんだか自然と人の共生なんて、思いあがった表現のように思えてしまいます。

参加者からの問いに、時計を気にしながらも、言葉を選び丁寧にこたえていく津田先生。
汲めども尽きぬ豊かな知識に、笑ったり驚いたり、感動したりと、
あっという間の3時間半で、大満足の濃厚な菌学講座でした。
休憩の後はいよいよ舞茸の種菌を接種します。

作業するのはコロナ禍をきっかけに、温室クリーンルームから進化したクリーンベンチ。
長机3台を養生テープで固定した上に農業用の支柱を使ってつくるのですが、
スタッフそっちのけでわいわいとディスカッションしながら組み立てる様子が面白くて、
そっと見守っていたら、なんなく完成してしまいました。すごい!

クリーンベンチが出来たら3人1組になり菌の接種をします。
1人目はアルコールランプで消毒したスプーンで舞茸菌を瓶から取り出し、原木の上にのせます。
2人目は1人目のタイミングに合わせて、保存袋の洗濯バサミを外して袋を開きます。

3人目は、接種した袋をシーラーで閉じます。

その間、できる限り他の菌が入らないように、瓶や袋を開ける時間を短くしたり、
出し入れの時クリーンベンチの外の空気にふれる時間を減らすなど、細心の注意を払います。
その後の接種もスムーズで、初めてとは思えないチームワークの良さが素晴らしかったです。
この原木は5ヶ月ほど温かい室内で培養して、熟成させます。
梅雨の頃に森の木陰に新しい畑をつくって、ほだ木を土中に伏せこんで、
赤玉土や広葉樹の落ち葉をかぶせておきます。
そして秋になり、気温が20度を切る頃から発生が始まりその後1〜2週間は毎日舞茸が収穫できます。
ろうきんの森には舞茸畑が4ヶ所あり、7年分の原木が埋めてあります。
同じほだ木で3~4年間、毎年秋に収穫できるので、秋は大忙しなのです。
参加者のみなさんも一袋ずつお持ち帰り。
ご自宅で同じように育てて、うまく発生すれば秋には古城山舞茸が収穫できます。
みなさん赤ちゃんを抱くように大切にお持ち帰りされました。
大切に育ててもらえると良いですね。
秋にはうれしい報告が届くのを楽しみにしています。
津田先生、長い時間ありがとうございました。
また秋の舞茸収穫ときのこ講座でお会い出来るのを楽しみにしています。
(ばきちゃん)
- 2023/02/20(月) 06:36:17|
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