9/9(土)-10(日)の岐阜地区 グリーンウッドワーク体験・森もり自然体験の活動の様子が「森の学校だより9月号」に掲載されましたので一部抜粋してご紹介します。
ろうきん森の学校岐阜地区・NPO法人グリーンウッ ドワーク協会(以下「GWW」)は、長良川鉄道の梅山駅から徒歩数分のところにある古城山ふれあいの森で活動しています。道路にある小さな看板を頼りに、管理棟へ向かいました。
この古城山ふれあいの森は岐阜県の環境保全モデル林整備事業の第1号として選定・整備された森で、管理棟にはトイレがあり、少し歩くと展望台もあるため、ハイキングなどで訪れる方も多いと伺いました。
今回、体験したのは以下の3つのプログラム。
①ろうきんの森の散策と草木染体験
②新旧火おこし体験
③木工体験~デザートスプーンをつくろう~
森もり自然体験は盛りだくさんで忙しかったけど非 日常を楽しんだ2日間となりました。
ろうきんの森の散策と草木染体験「ろうきんの森に入るときには、「おじゃまします!」と声をかけてください。」とGWW代表の小野さんに促され、私たちは 森への入り口の階段を上りました。

森に入ると、さっそく小野さんが何かを見つけます。指さすほうを見ると、木から樹液が出ていました。樹液は、樹皮が動物によって傷つけられると傷をふさい だり虫や菌の侵入を防ぐ役割があるとのこと。つまり、この森には動物も棲んでいることがわかりました。

次に小野さんが教えてくれたのは、チャートと呼ばれる堆積岩の地層についてです。 チャートは、主に火打石として用いられてきましたが、火をつける道具としてだけでなく、厄除けや縁起 かつぎの道具としても使われていました。時代劇で外出前に カチカチと打ち鳴らすシーンを見たことがある方も多いので はないでしょうか。ここで、私たちは2日目に行う火おこし体験 用のマイ火打石を選んで持ち帰りました。

散策しているといろんな植物がありました。これは、郵送できる「葉書の木」と呼ばれるタラヨウ(多羅葉)での葉です。
葉の裏に先のとがったもので文字を書くとその部分が黒く残り、実際に切手を貼ってポストに投函して葉書として利用す ることができるとのこと。調べてみると、郵便局のシンボルツリーとして、東京駅のKITTE(東京中央郵便局)近くにも植えら れていることがわかりました。

これは虫こぶで、昆虫の寄生によって 植物が異常な成長をすることでできます。寄生される植物にとっては 迷惑なことですが、人間は虫こぶに含まれるタンニンを染色に利用 するなど、恩恵を受けてきました。
今回の草木染の材料にはしませんでしたが、試してみたら面白いかもしれません。

次は、草木染体験の材料調達です。講師のばきちゃんこと椿さんから、“メリケンカルカヤ”を使うという説明を受け、みんなで刈りました。“メリケンカルカヤ”は北米原産のイネ科の多年草でいわゆる雑草。車が通るときに種を運んでもらうようで、タイヤの跡にそって元気に生えていました。
森からたくさんのメリケンカルカヤをいただき、「おじゃましました」と挨拶をして管理棟に戻りました。

いよいよ草木染体験です。最初にばきちゃんから、草 木染のミニ講義を受けました。緑色の植物でも染め上がりが異なることや、染料を繊維に定着させるための媒染方法など、子どもたちも集中して聞きました。

次は、メリケンカルカヤで染めるデモンストレーション。 刈ってきたメリケンカルカヤを細かく切って、袋に入れて煮だすと緑茶のような染液が完成。これに染めたい もの(今回は植物繊維の手拭いまたはトートバッグ)を 入れると、鮮やかな黄色に!!この後は、子どもたちを中心に、染液作りスタート。メリケンカルカヤを手際よく切って袋に入れて、染液を抽出しました。

デザインも自分たちで考えます。みんな、輪ゴムや洗濯ばさみを使ったり、わからないところは、積極的に講師のばきちゃんに聞きに行って、自分だけのオリジナル作品を完成させました。
藍の生葉を使ったたたき染めも子どもたちに大人気。トンカチでたたいて葉っぱの形 を布に移したあと、キーホルダーやブローチに仕上げました。ばきちゃんに教えてもらいながら、葉っぱを組み合わせて、リボンを作った子もいました。

メリケンカルカヤのような、もともと日本にはない、人間の移動によって持ち込まれた外来種は除草することで在来種の保護につながります。自宅の庭や道路、線路の脇に生えている雑草の名前を調べたり、どの草からどんな色が染められるか試してみるのも楽しいのではと感じたプログラムでした。
新旧火おこし体験!~ろうきんの森の火打石とメタルマッチで火おこしに挑戦しよう~
2日目。ふれあいの森の管理棟に行くと、前日にみんなで染めて干しておいたトートバッグ等の作品たちがお出迎え。今日は、火おこし体験。最初は旧式、ふれあいの森のチャート(火打石)を使った火おこしに挑戦です。

最初に小野ちゃんとばきちゃんから、火を使うことに 対する注意があり、その後実演してくれました。が、この日は湿度が高いのか、なかなか火が点かず大苦戦。その 様子を見つめる子どもたち。今はガスコンロで簡単に火 が点くけど、昔の人は大変だったなぁと実感します。

今度は、子どもたちがチャレンジします。小野さんたちが用意してくれた火打石や、前日に自分たちが山から持ってきた火打石を火打ち金で打って火花を発生させるのですが、これが本当に難しい。火打石が削られるだけで火花がなかなか出ません。 みんなが苦戦する中、火花が出た子がいました。 「わー」、「すごーい」と歓声があがりました。 次は火が点くかもという期待の中、カチっとやると、見事、点きました!

火打石と火打金の組み合わせも、火が点く大事な要素 のようで、マスターするには時間がかかりそうです。
旧式の火おこしを成功させたのは、参加者の中でただひとり、彼だけでした。この体験が今年の夏の楽しい思い出になってくれると嬉しいです。

続いて挑戦するのは、メタルマッチ。メタルマッチとは可燃性の高い金属(マグネシウムなど)を使って火をお こす道具で、ファイヤースターターとも呼ばれ、100均でも手に入れることができます。金属部分をこすって火 花を出すのですが、子どもたちに「普通のマッチをつけるように」と説明しても、マッチを使う機会のない子ども たちには難しいようで、なかなか上手くこすることができません。根気強く練習していました。

火おこしの難しさを体験した後は、昼食に向けて実際に火をおこします。U字溝に薪や炭を置いて、うちわで風を送ったり、枯れた枝を集めて乗せたり、みんなで協力して火を作りました。火が完成した後は、昼食前だけ どみんな大好きのスモアタイム。スモアとは、焚火を利用したスイーツ のこと。炙ったマシュマロにチョコ をかけてクラッカーで挟みます。小 野さんの実演を参考に、みんなで じっくりとマシュマロを炙り、おいしくいただきました。

昼食は、ばきちゃんが羽釜で炊いてくれたごはんにキーマカレー、ふれあいの森で収穫した 舞茸のスープにたっぷり野菜のサラダ。外で食べる食事は格別。おいしくいただきました!
木工体験!~デザートスプーンをつくろう~
いよいよ最後のプログラム、朝、小野さんが森から伐ってきた栗や樫の木を使って、デザートスプーンをつくります。
最初に、普段使わないナイフを使うので、講師のしめちゃんから道具の使い方を教えていただきなが ら、順番に工程を進めていきます。

黙々と集中して削っていくと細い枝が、かわいらしいオリジナルのデザートスプーンに変身。木の皮を残したり、反対に全部削ったり、くびれを付けたりと、思い思いの形が出来上がりました。小さな子どもも完成させら れるよう工夫され、自分で作ったスプーンで実際に食べてみるというお楽しみがついたプログラムでした。

完成した後のお楽しみは、デザートです。ばきちゃんが作ってくれたカラフルで涼し気なゼリーは大人気! シロップを入れると色が変わるハーブティはすっきりとした味で大人に好評でした。


~東海ろうきん総務人事部から、見学に来てくれました~ここ数年、新型コロナウイルスの影響を受けて、東海ろうきんのGWWのプログラム参加や、職員研修での利 用が見送られていました。5月に感染法上の位置づけが5類に移行されたことを受けて、東海ろうきんから岐 阜地区の活動について問い合わせがあり、今回のプログラムが確定したときに、お誘いしたところ、日曜日の プログラムに田口調査役が来てくださいました。見学した感想をいただきましたのでご紹介します。
連合会総合企画部の岩村さんからお誘いをいただき今回のプログラムに 参加させていただきました。昨年7月総務人事部総務Grに配属となり、コロナ禍で年間業務のルーチンから外れていた「ろうきん森の学校」の取組みをそろそろ再開しなければと思いつつ、踏み出せずにおりましたが、実際に参加したことで重かった腰が一気に軽くなったように思います。
2日目の早朝から昼食までご一緒させていただきました。
予定より少し早めに会場へ伺うと昨日の草木染が朝日に照らされながら整列しており、自然の色合いは味わい深いものが あるなと感心しながら観ていると一行が到着。日頃お世話になっている連合会・協会の皆さんにご挨拶したあと、火打ち石を使っての火おこしに私もチャレンジしました。想像通り大変 でしたが、実際に火がついたときはテンション爆上がりでした。
火おこし後、その火で焼いた マシュマロにチョコをかけクラッカーで挟んだものを食し、さらに、フランクフルトのベーコン巻き。昼食は、ここで収穫した舞茸のスープとかまどで炊いたご飯にスパイスカレー、どれも 絶品でした。食べ物の話ばかりになりましたが、食も含め自然の中で様々な体験をすること は、お腹だけでなく心も豊かにしてくれるものだなとしみじみと実感しました。
今回、参加させていただいたことで、今後どう取り組んでいったら良いかおぼろげながら見えてきました。まだ、私案にすぎませんが、
1新入庫職員の教育プログラムに「ろうきん森 の学校」を活用した環境教育を盛り込むこと、
2ろうきん森の学校へのプライベート参加を促進するための助成金制度の新設等によって、楽しみながら業務以外の社会貢献に参画で きる仕組みを構築したいと思っています。
今回はお誘いいただき本当にありがとうございました。今後ともご指導・ご鞭撻のほどよ ろしくお願いします。
(東海労働金庫総務人事部 総務Gr 田口康彦)

- 2023/09/30(土) 00:00:00|
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