ラダーバックのラダーとは梯子を意味します。

背面が梯子状の椅子という意味です。
今回は、講座用ということもあり、梯子の数は2段です。
今日の作業はこの背もたれに使う背板の成形と曲げ木です。
ここで、
以前のブログを見た方は「おやっ?」と気付くかもしれません。
ドリュー・ランズナーさんの講座では、全6日間の最終日に背板の木取りから加工、曲げ、組立てまでを一気に行いました。
熱湯に1分ほどさらした背板に曲げ癖をつけて、予め組みあがった椅子のフレームに無理やり曲げながら差し込み、そのまま乾燥させるというなんともダイナミックな方法でした。
これの利点は、曲げ木の治具が不要ということ。乾燥の手間も省けます。
しかし、欠点として、生木の背板が乾燥後縮むということです。
講座終了後、家に持ち帰って乾燥を待ち、背板のホゾ穴の隙間にクサビを入れる工程が宿題となってしまうのです。
また、木取りから成形、組立てまでを終えた最終日に、また丸太を割るところに戻るというのもいかがなものかと思います。
ということで、今回は背板の曲げ木を前半の工程で行う事としました。
曲げ木の方法は、イギリスのグリーンウッドワークの第一人者のマイク・アボット氏の方式を採用しました。
まずは、丸太の中から曲がりや節などの無い素性のいいものを選びます。
厚さ5mmの背板を木取るには、繊維がまっすぐに通っている必要があるからです。
とっておきのクリの丸太を割って行きます。

新鮮な丸太からは、このように水分が滲み出てきます。
10~15mm程度の厚さに割っていきます。

マンリキで割った状態でもう既にこの平面の精度が出るのは栗が素直に割れてくれるからです。
これを銑で7mm程度の厚さまで薄くします。

機械を使わなくてもこんなに薄い板が製材できました。

これをステンレスの蒸し器に入れて、20分間蒸気で蒸します。

そのあと丸い型にはめ込んで、そのまま冷まします。

熱が冷めたところで、乾燥させるために、3本の丸棒に互い違いに嵌め込んで終了です。

今回は薄く成形しすぎて割れてしまったものもありました。

治具の形状や材の成形寸法など、まだまだ改善の余地がありそうです。
(文責:小野)
- 2011/02/22(火) 13:14:12|
- 講座の実施報告
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