7月5日(日)郡上市白鳥六ノ里の広葉樹の森で試験植栽を行いました。
この森では、「モノづくりのための森づくり」をキーワードとして、
ものづくりで森づくりネットワークとグリーンウッドワーク協会が協働で活動しています。
昨年の秋、この森から採取した山取り苗がこちら

この苗を1年、里で大きく育てたのがこちら、
ブナです。

このトロ箱に入っているのは、写真のかおりさんが自宅のベランダで
我が子のように大切に育てた苗たち。
一番背の高いミズメには「さちこ」という名前が付けられていました。
その他に、ナラ(ミズナラ)、セン(ハリギリ)など
ものづくりに有用な樹種を選抜して育てました。

今年は、来年以降に実施予定の本格的な植樹を前に、
10本程度試験的に植栽して、経過を観察してみます。
まずは、何メートル間隔で植栽するかを話し合います。

参考にしたのがこの本
この活動にも協力してくださっている森林文化アカデミー横井教授共著の、
その名も『広葉樹の森づくり』(日本林業調査会)

広葉樹の植栽密度には諸説あり、森の環境や施業方針によってさまざまです。
ここでは4000本/haを基準に考えてみました。
約1.5m間隔という計算になります。
しかし、ここでの競争相手は隣接する植栽木だけではなく、
実生更新の有用樹が育ってくれることも期待できるなど、
様々な可能性を考えた上で、植栽間隔を2mで設定してみました。
植える場所は数年前にナラ枯れの木などを伐採したエリアです。

まずは笹の根が張った地面を、つるはしで掘り起こします。

苗を植え、しっかりと根が付くように踏みつけます。

しかし、これで終わりではありません。
鹿やカモシカの獣害対策が必要です。
今回使用したのが
信濃化学工業の「ウッドガード」長野市からはるばる担当者の方が、設置方法の説明に来てくださいました。

上から覗くとこんな感じ
ちょっと窮屈かなぁ?

そして、標高1150mのこの大洞峠では、
獣害の他に雪害に対する備えが必要です。
竹杭を斜めにも打ち込んで、転倒防止対策を行いました。

雪害といえば、昨シーズンの大雪では、
大きなヤマザクラの木が雪の重みで倒れて、
道をふさいでいたそうです。
その木の処理は澤田さんが対応してくれました。
写真に写っているのは枝の部分

これが切り株です。
直径は50cmくらいあったそうです。

こんな木が倒れるくらいの豪雪地帯!?
この日植えた苗が無事に育ってくれることを祈るばかりです。
この倒れたヤマザクラ、しっかりと材として使われています。
その一部がこちら。

かおりさんが旋盤で器に挽いて、
山主の奥さんの美谷添さんがウッドバーニングでサクラの絵を焼きました。
たくさんの人の思いが形になった瞬間です。

ところで、今年はブナの実の成り年だそうです。
(森の熊さんもこの秋は一安心ですね)

頭上のブナの木を見上げると、たわわに実がなっています。

この木の下にもたくさんの実生が芽吹いていますが、
母樹の下には子どもは育たないそうです。
ということで、母樹から離して移植、
この苗にもウッドガードを設置しました。

そして六ノ里の森に10本の白い塔が立ち並びました。
森を育てる取り組みのはじめの一歩を踏み出した記念日です。
※この取り組みは「平成27年度清流の国ぎふ地域活動支援事業」の補助を受けて実施しました
- 2015/07/07(火) 00:42:14|
- ┗ その他イベント等
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0